闇金融業者に係る最高裁判決


闇金融業者に係る最高裁判決

【ポイント】

ヤミ金融業者が借主(被害者)に著しく高利(年利数百%~数千%)で貸し付けた場合、ヤミ金融業者は元本の返還を請求することができない。
⇒ 借主(被害者)は元本についてもヤミ金融業者に返還する義務がない。

借主(被害者)がこのようなヤミ金融業者に対して損害賠償請求を行った場合、損害額から元本分は減額されない。
  ⇒  支払った元本・利息の全額を損害として請求することができる。 


【具体的内容】

・ 本件ヤミ金融業者が借主(被害者)に対して行った一連の行為(著しく高利での貸付けや、弁済の名目で金
銭を受領した行為)は不法行為となる。借主(被害者)はヤミ金融業者に元利金の弁済として支払った金額全額を損害として、損害賠償請求をすることができる。

・ 本件ヤミ金融業者が貸付けとして借主(被害者)に交付した金銭は、不法原因給付に該当するため、本件ヤミ金融業者から借主に対して返還請求することはできない(民法第708条)。
※不法原因給付:社会の倫理、道徳に反する醜悪な行為(=反倫理的行為)に係る給付

・ 反倫理的行為に該当する不法行為の被害者が、不法原因給付を受けて利益を得た場合、当該利益については、借主(被害者)からヤミ金融業者に対する不法行為に基づく損害賠償請求において、損益相殺や損益相殺的な調整として損害額から差し引くことは許されない。

(注)本件判決は著しく高利の貸付けである点に着目したもの。
「数百%~数千%の利率」に満たない利率での貸付けについて、どのような司法判断となるかは、現時点では示されていないことに留意が必要。


▼参照元





















  • 最終更新:2016-03-02 12:25:07

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